投稿日:2014年1月24日
「30年以内に70%の確率で大地震が来る」という国の正式な見解が出ています。その時に、自分の家が不同沈下するかしないかを、正確に知っている人はほとんどいない状態です。プロの地盤の専門家がこっそり嘆いています。
以下、プロの専門家の言葉です。
『平成13年国交省告示1113号』には、SWS試験の結果において、基礎下に自沈層がある場合や、液状化の危険性がある場合は「住宅に影響を及ぼすような地盤の沈下が生じないこと」を確認しなければならないことが書かれています。
この液状化の危険度判定については『宅地の液状化被害可能性判定に係る技術指針』で、その方法が示されていますが、SPTと簡単な土質試験で予測することができます。(その試験は2週間程度の工期と数十万円の予算で実施することが可能です。)
しかし沈下量の予測は、なかなか難しく、なかでも不同沈下の予測にいたっては、手計算程度の手法では太刀打ちできるものではありません。乱れの少ない試料を採取し、土質や変形強度特性や圧密沈下特性を知ることなどで地盤の沈下量を予測し、建物への影響を把握する必要があります。
しかし、住宅の分野では、現在に至るまで、このようなことが実施されていません。
ですので残念ながら、ほとんどの住宅設計者は個別の住宅の地盤についてSWS試験による地盤調査のみで、土質や変形強度特性や圧密沈下特性など知らないので地盤がどのような変化をするのかわからなくて、その結果として建物はどのような負荷がかかるかもわからず、建物が不同沈下するかどうかもわからないのが実態です。
災害時にどういう現象に見舞われるのか等を把握し、全責任を負えるような努力をしていないようです
プロの地盤の専門家の私でさえ自宅建築の際に「一級建築士が、これで良いと言ったから、SWS試験の結果に伴う建物構造でヨシ」としてしました。私にとっては住宅のように小さな構造物の基礎地盤をどのように捉えてよいか分からないといったことありますし、何より住宅設計者がこれほど液状化と不同沈下について調査・研究をやっていないことを知らなかったです。
今考えればバカな話です。一生モノの買い物をするのに、自分の住まいの安全性が全く分からないなんて!運を天に任せるなんて!
と嘆いています。
文章の中で専門用語が並び難解な部分もありましたので、わかりやすく書き換えしましたがなんともショックな内容でした。