投稿日:2013年9月12日
新築一戸建て分譲の現在の販売中をみると物件数が増えてきています。
新築一戸建て分譲の総戸数10戸以上の関東の販売中をみると約1200件・8000戸あります。消費増税駆け込み供給意欲が強いためです。東京都250件・1950戸、神奈川県280件・1500戸、埼玉県300件・1800戸、千葉県250件・2100戸、群馬県12件・83戸、栃木県39件・159戸、茨城県35件・226戸となっています。
千葉県が最多で2100戸を超えます。八千代市が総戸数574戸で販売中286戸と多すぎるため販売が低迷しています。販売平均価格が2539万円と全体の中では安いほうで、最低価格は1780万円からで価格的には良いのですが人気が薄くなっています。ただ東葉高速鉄道などは東西線直結で大手町まで40分でいけるために交通利便性は高いので、いずれ関東全域での優位性が再評価される時期がくるでしょう。
次いで東京都ですが八王子が一番多くて約200戸です。総戸数554戸の「みなみ野シティ」や681戸「東京森都心多摩ニュータウン東山」や186戸「コロネットテラス」など山を開発しての大型開発が多いために今後も多く販売がされてきます。これらはハウスメーカーなどが多いために販売平均価格が4178万円と高くなっています。また23区内では足立区が一番多くて販売中は183戸となっています。販売平均価格は3249万円なので23区内では一番安くなっています。教育・防犯面で23区内では低いとされていて、それに液状化危険地帯が多いために土地が安くなっていることがあります。
この新築一戸建て分譲の10戸以上の販売でどこの企業が多いかというと
総戸数で一番多いのが大和ハウスで総戸数2668戸となっています。総戸数681戸「東京森都心多摩ニュータウン東山」や554戸「八王子みなみ野シティ「シフォンの丘」や274戸「スマ・エコ_シティ吉川美南」など大型の開発が多いためです。ただ販売戸数は122戸ですので戸建分譲のパワービルダー大手企業と同じくらいの戸数となっています。販売平均は4793万円と高くなっています。
そして三井不動産は総戸数が1881戸と多くなっています。総戸数927戸「ファインコート守谷ビスタシティ」がほとんどで、販売中のメインは168戸「ファインコート西武立川アユモシティ」で、124戸「ファインコートFujisawaSST」などがありますが、それ以外は総戸数は20戸台が多いです。販売平均価格は4918万円で新築一戸建て分譲として最高価格となっています。
販売戸数で一番多いのがポラスグループの推計450戸です。総戸数206戸「パレットコート六町東京ココロシティ」や125戸「大宮ヴィジョンシティ」など100戸を超えるものがありますが、大半は10戸台です。この10戸台が一番多いのですが、この10戸から「美しい街並み」を作っているのがポラスの特徴といえます。その割に販売平均3465万円ですので価格的には手頃といえます。ただ埼玉県・千葉県がほとんどである上に駅徒歩の平均が20分と遠いのが難点です。物件数が54件と多いために、駅から遠いものでも土地を買わざるを得ないためです。
そして総戸数636戸で四番目につけたのがグランディハウスです。栃木県宇都宮市中心に北関東をテリトリーとする会社ですが、ここにきて急に販売を増やしてきました。販売平均価格が2616万円と比較的に安いのが売れている原因です。ただ販売のほとんどが栃木県であるために工場需要がほとんどですが、福島の復興需要などに支えられた点もあり、今後の需要の途切れが気になるところです。
最後に新築一戸建て分譲の最大手である一建設ですが販売のほとんどが総戸数10戸以下であるために、10戸以上は数が少なくて17件・総戸数228戸となっていて、一建設全体の販売中の約1700戸の1割強しかありません。このパワービルダーの特徴である営業・販売は不動産仲介任せということにより10戸以上の大型分譲での残戸数率は73%もあり販売効率は一番悪くなっています。平均は30%前後ですから半分以下の効率になっています。「リーブルガーデン」というブランド名は一応つけていますが、魅力的なコンセプトもなく、機能性で優れているわけでもなく、ブランド広告わしているわけでもないので、ブランドになっていないのが販売低迷の主要因です。
新築一戸建て分譲として10戸を超える物件を販売するには一定の「信用」「魅力」が必要です。三井不動産や大和ハウスと伍して戦う必要があり、それには「リーブルガーデン」ではあまりにもプアーです。パワービルダーが新築一戸建て分譲の最低機能で営業は他人任せにする限り10戸以上の世界ではなく、10戸以下の「地元顧客対象の不動産営業中心」の世界にとどまったほうがいいでしょう。
10戸以上の「ブランド戸建分譲」の世界では、「街づくりコンセプト」や「オープン外構・植栽などによる美しい街並み」が必須になってきますから、10戸以下の「飛び込み不動産営業」の世界の商品では通用しません。広告にしても10戸以下ですと一物件で50万円もかけられないために、連棟パースは無く、ひどい時には外観パースもないものもあります。これでは「ただの部資材の集合体」でしかなく、戸建分譲の特徴である「美しい街なみ」とはかけ離れています。
それができているのは、大和ハウスや三井不動産やポラスくらいとなってしまっています。その意味で、今の新築一戸建て分譲の大型分譲は「大手3社」といってもいいでしょう。