投稿日:2013年4月17日
4月14日現在での販売中で首都圏で3600万円の新築一戸建てを見てみると意外といい物件があります。
この3600万円というのは首都圏の販売平均(3655万円)で首都圏の新築一戸建ての平均モデルとされる価格です。
この3600万円の物件が、バブル期には16号線の外側に出たり、その後の1990年後半には、土地価格の下落局面で武蔵野線の内側まで入りました。そして、20005年前後のミニ住宅バブルで再び武蔵野線の外側に出たりしています。
この3600万ラインをみると、その時の新築一戸建て分譲の価格が長期的にどうなっているかがわかります。
では現在販売中で3600万の代表的な物件は
埼玉県からは、新座駅徒歩7分と西川口駅徒歩20分にしてみました。この川口の物件の上青木は公立中学で人気の学区内になります。そして、新座駅はズバリ武蔵野線の駅で西川口は2駅ほど東京都内に寄ったものです。
神奈川県からは横浜2物件となんと茅ヶ崎の東海岸がありました。茅ヶ崎の東海岸と言えば湘南人気の中心みたいなところで、以前は5000万円以上していたものが、津波予測で価格が下がっています。確かに津波は怖いですが、「湘南」に3600万で住めるのはうれしいです。この茅ヶ崎市は別として、その他の2件は横浜市の港北区と南区になり、武蔵野線と同じ首都圏の都心より20kmラインの横浜線の内側と外側となっています。
そして東京都からは23区で1件で都下で4件です。
23区内は板橋区の徳丸になります。23区内では標高が高くて山手線に近くて安いという評判の都営三田線になります。それが土地60㎡と小さいですが3580万円で買えるのは魅力です。
都下は、府中市や国分寺市など人気の市があります。府中は北山町ですから東芝工場の近くで武蔵台緑地の近くですから国立に近いといえます。教育環境の良さと自然環境の豊かさが売りといえるでしょう。国分寺市は西町5丁目で立川に近い立地で、周辺は生産緑地が多い郊外の住宅地です。ただ国分寺市ですから行政・教育環境は良いです。
この2つは武蔵野線の少し内側になります。
こうしてみると、現在の3600万円ラインは武蔵野線・横浜線から少し中にあるといえます。
最近の傾向をみると、少しづつ内側に入っている傾向はありますが、現在が転換点にあります。
アベノミクスにより、不動産投機が始まりましたので今後は土地が上がります。それに職人の手当の上昇も決定していますので施工費も確実に上がります。ですので新築一戸建て分譲の販売価格は確実に上がります。とすると、せつかく武蔵野線の中にはいっているのですが、これから少し外側に出ていく可能性があります。
つまり、1980年代の高度成長期に郊外ニュータウンで武蔵野線の外に出て、バブル期はさらに16号の外に出てしいましたが、1990年代に内側に入ってきて武蔵野線の中に入りました。それが住宅ミニバブルで再び武蔵野線の外側に出て16号近くまで行きました。
それがリーマンショック後に再び内側に向かい、ようやく武蔵野線を超えて内側に入ったところでした。
そして今後は再び武蔵野線を超えて外側に向かうものと思えます。
ただ、通常は「契約価格」は「販売価格」に準ずるのですが、今回は「販売価格」の上昇に「契約価格」がついていくかどうかは微妙なところです。今回は「官製バブル」であって強制的に供給要因のインフレを起こしているだけで、まだ需要要因のインフレがおきていません。この需要要因のインフレにはタイムラグが必要ではあるという説明ですが、とにかく足元ではまだ、需要要因の給料は上がっておらず非正規雇用比率の上昇は依然として続いていてデフレ下であるのと、住宅一次取得人口は確実に毎年減っているのでこれもデフレ要因であるので、需要要因はまだデフレ経済かせ抜ききれていません。
一部、動いているのは3600万円ラインの年収600万前後の層ではなくて、年収1000万円を超える層が動いていて、ここが6000万円を超えるマンションを買っています。
とすると、6000万ラインは好調ですが、3600万円ラインは需要供給のバランスがミスマッチを起こしていて、販売価格は武蔵野線の外側にでますが、契約価格はまだ内側にあるという状態だと思います。
その象徴が、都営三田線の駅周辺で3600万円で買えるということに現れています。