投稿日:2012年3月11日
マンションの契約率で販売の好不調が70%とよく言われますが、これは正確な数字ではありません。
マンションは1棟毎に建築確認が取れますので、販売としては1棟全てが対象なります。
ただマンションは1棟の戸数が100戸と多いために、契約率が低くみえて「不振物件」とみられるので、「期分け販売」が行われるのです。
通常の契約は完成までに全戸が契約できればよいので、建築期間が2年・24ケ月となれば販売期間も24ケ月となり、契約率は月で4%となるのです。
つまり、マンションの契約率の好不調は4%ということになります。
そこで、新築一戸建て分譲はどうかと言えば、戸建分譲は建築確認が下りて着工となってから、建物完成まで4ケ月が普通です。そのため完成までに契約するとなれば4ケ月が望ましくて、契約率は25%が標準となり、好不調の基準は25%となります。
2011年で言えば、新築一戸建て分譲の契約率は19.6%になります。
ただ、東日本大震災の影響で5月から8月までは20%以下と通常より悪かったためそれを除いて、10月から12月だけを考えれば平均で20.8%になります。
つまり好不調が25%とすれば、悪いということになります。
契約率を考えるのに、分子の契約戸数が多いか少ないかと、分母の販売中戸数が多いか少ないかを考える必要があります。
まず販売中ですが、首都圏の戸建分譲の需要計算からすれば5万4000戸となり、通常の販売中は4ケ月分なので1万8000戸が標準となります。
とすると2011年の2万5000戸弱は30%多いということになります。
契約でいうと、需要5万4000戸を12ケ月で割ると4500戸になります。
2011年4月から12月の平均が4464戸ですからやや悪いということになり、10月から12月では平均4823戸なので、107%良かったということになります。
つまり2011年の10月から12月で言うと、販売中戸数が30%多く、契約戸数が7%良かったということになります。
契約率が20.8%と悪かったのは、販売中戸数が多かったのが主要因ということになります。