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新築一戸建て分譲の商品企画に欠けているもの

投稿日:2013年2月22日

新築一戸建て分譲住宅で様々な商品企画やキャッチコピーが出来てきています。現在販売中の主なものをみてみると。

「子育てママの家」「家族の笑顔をつなぐ街」「家族の絆が生まれる街」「時を超えて住み継ぐ街」「自然と便利さが同居する街」「ダブル発電の省エネ住宅」「太陽が輝く街」「住まう人のためだけの街区、緑と奏でる暮らしの舞台」「”都”の便利性と”静”の利便性の落ち着きを兼ね備えた22邸の物語」「自然の緑に抱かれた利便性の良い魅力的な住環境に住まう」「街全体が庭」「時を重ね成熟する街「○○」が舞台。次世代へと住み継ぐ街」「美しき思い出の“森の小径”」「緑豊かな南向きの丘の上の街」「家族時間は美しい街並みで育まれる。緑豊かな街並み。洗練に彩られた街」「太陽の丘」「暮らしを平面だけでなく、立体的に考える発想がライフスタイルをより便利に、創造的に広げるESPACEの新提案」「美しい家、街づくり」「安らぎのある開放感が、美しい家族の時間を豊かなものに」「歩ける距離に公園があると、暮らしはもっと豊かになる。」「長く快適に住むための想いを詰めこんだ、「永住スタイル」の邸宅」「大空を近くに感じる高台立地。○○で時を紡ぐ」「大きな庭がある生活を楽しもう」「家族の笑顔がイチバンの街」「太陽光発電×エネファーム搭載の快適ライフ」「公園を目の前にした緑とハーモニーを奏でる街」「歓びを奏でる日々は、今、現実へ」「大樹を中心に広がる家族のほほえみ街区」

一生懸命に設計や商品企画や広告代理店が考えています。コンセプトやキャッチコピーが良いとお客様のファーストインプレッションが良くなるので、売りやすいといえるでしょう。

ただ逆に悪くても、立地と価格と品質さえ良ければ売れるでしょう。

その意味で言うと、現在販売中のコンセプト・キャッチコピーの全体としての私独自の評価からすれば「意味無し」が多いです。企画担当者・広告代理店の自己満足や空回りや世間知らず・マーケティング知らずと酷評しておきましょう。

欠けているのは

・その立地で、その価格で、その品質で買う人は誰なのか?

・その人数は何人いて、その人から見た競合で優っているのか?

という視点がみられません。ある意味でマーケティングの根本が欠けています。

「戸建分譲は家族を幸せにする」は正しいのですが、「その物件のその価格でそこに入居する家族は幸せになれるのか」という問いが根本的に欠けています。

戸建分譲の商品企画において

①立地

②価格

③品質

④地域

⑤競合

⑥需要の質と量

⑦物件のコンセプト

この7つを全て組み合わせて考えなければなりません。どれか一つ抜いてもマーケティングはできません。その意味で、現在販売中の主な物件のマーケティングは私の基準からすれば不合格となってしまいます。

さらに2013年という時代を考えると、⑧再販性というものを考える必要があります。それは、この春に契約して住宅ローンを背負って、この先の35年間幸せに住まい続けられる家族は9割を切るのは確実です。

現在、戸建分譲の再販価格の理論構築のために研究していますが、「損しない」物件は5割を超えるのが難しそうです。マンションの出来上がつた理論結果に比べると悪いものになっています。

戸建は「損しない」だけが価値ではないので、さらに率を引き上げるべく研究を重ねますが、その視点からすると、現在販売中物件のコンセプトに疑問を持たざるを得ないものが多数あり、企画担当者はもっと真剣にお客様のことを考えて欲しいなと思います。

「チバリーヒルズ」のようなものは二度とやって欲しくないのですが、「同じ穴のムジナ」があるようで困っています。

その物件のブランド・コンセプトは35年後も価値を保ってますか?

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