投稿日:2013年1月22日
住宅着工でみると、2012年はマンションが約6.9万戸で戸建分譲が5.8万戸なので合わせて12.7万戸となりますが、マンションは契約が4.1万戸に対して着工6.9万戸と大きく着工過多となっていて、販売在庫の増加につながっています。
…■マンションは在庫が増えて契約率が低迷した
単純計算すると
・戸建分譲 契約 6.0万戸/ 着工 5.8万戸 = 103%
・マンション 契約 4.1万戸/ 着工 6.9万戸 = 59%
ということとなり、マンションの契約率が著しく悪かったということになります。
つまり、
「2012年の首都圏のマンションは、着工・販売戸数が多かったために契約も増えたが、契約率は低かった」
となります。
またマンションの販売在庫は少なくとも6.9万戸-4.1万戸=2.8万戸は増えたということになります。2011年も着工は6万8000戸で契約は3万9787戸だったので、在庫が増えたのですが、それにさらに上乗せされたということです。
ただ不動産経済研究所の契約把握戸数が低いために実際の首都圏全体の契約戸数はもう少し多くなっていると考えられます。私の推計では5万戸を超えたところぐらいと考えているために、在庫増は1.5万戸強であると考えられます。
そして戸建は契約6万戸に対して着工5.8万戸と在庫が減った計算になるのですが、戸建分譲においては、区画全体を分譲だけでなく建築条件付き土地分譲も入っている事が多いために、着工よりも販売数は多くなります。そのため2012年の新規販売戸数は捕捉できているだけでも6万5000戸を超えていますので、実際には7万戸近いと言えます。とすると在庫増は1万戸を超えているといえます。
■年末在庫は8万戸以上で、前年より大幅増加
そのために私の計算では、戸建分譲の2012年末の在庫は4万戸以上で、マンションも同じく4万戸以上となります。
つまり2012年の首都圏の分譲は
・着工 12.7万戸 (前年比+1.6%)
・契約 10.1万戸 (前年比+4.1%)
・年末在庫 8万戸以上 (前年より約4万戸増えている)
となり、
2012年の首都圏の分譲住宅は
「住宅着工微増・契約増加だが在庫が大きく増えた」年であったということです。