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「日本は六重楽に目を向けろ」というが住宅建設不動産業界にはあてはまらない。

投稿日:2013年1月16日

日経のニュースメールで「日本は六重苦でなく、六重楽に目を向けるべき」との記事がありました。

輸出製造業を中心に考えたものでしょうが、中小企業の多い住宅・建設・不動産業界にあはめると「とんでもない」と言いたいです。
「日本は・・・」という言い方をやめてもらいたいです。
■住宅建設不動産業界での六重楽は
①「資金調達コストの低さ」・・・・×
借りたくても銀行が貸してくれないと嘆く企業は私の周りにたくさんいます。銀行は資産・担保を持たない中小企業には貸してくれません。ましてや上場していないので、社債発行などできません。資金調達はコストが低いどころか、調達できません。
②水と空気と安全が安い・・・・・・△
確かにその通りですが、住宅・不動産ではコスト構造的にあまり大きくありません。
③敵対的買収の少なさ・・・・・・△
これも上場していないために、関係ありません。
④日本製品に忠実な消費者・・・・・・○
確かにその通りです。重大クレームや裁判費用や特許料などはほとんど気にしなくてよいので、これは日本ならではと思います。
⑤労働争議の少なさ・・・・・・・○
これも日本ならではと思います。正規雇用であれ非正規雇用であれ、厳しい労働環境でも文句も言わず頑張ってくれています。
⑥優秀な学生が企業を目指す・・・・・×
残念ながら、住宅・建設・不動産業界は「3K」とみられていることもあり、優秀どころか普通の学生の確保にやっきです。建設技能者不足は深刻で東北復興の足かせともなっているほどです。
これでみると住宅建設不動産業界は「二重楽」といえます。
イメージ 1
■では、六重苦は
逆に六重苦は一部かかってきます
①円高・・・・・・・○
これは輸入材がやすくなるので、円高は良いのだが、現状円安にふれてるので、100円を超えてくると材料高につなかってしまう。
②硬直的な労働法制・・・・・・・・×
最低賃金や36協定など、人件費のコスト高につながってしまっています。そのため外国人労働者の雇用が発生していて、日本人の雇用機会を奪っています。
③温暖化ガスの削減義務・・・・・・×
これは深刻です。「省エネ法」により住宅の省エネ対策は強制的に行われていて、コスト高になっています。
それを販売価格に上乗せするのですが、契約できずに値引きとなり、企業の収益を悪化させています。
④エネルギーコストの高さ・・・・・・○
住宅の総費用における電気代やガソリン代は大きなものでありません。
⑤TPPに後ろ向き・・・・・・・○
TPPにより自由貿易となると、外資が住宅ローンを行います。それはいいことですが、不動産業そのものに参入してきますので、企業そのものの存続が危うくなります。
⑥高い法人税率・・・・・・・・×
法人税の高さにより、最終利益率が悪化してしまい、資金投資利益率が低くなるために、不動産投資資金が国際的に不利です。
これでみると六重苦は「三重苦」と言えます。
となると、
住宅・建設・不動産業界でいうと「二重楽で三重苦」といえて、
やはり少し不利であると言えます。

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