投稿日:2012年11月28日
新築一戸建て分譲住宅のデメリットを掲載しましたので、メリットを書いてみます。
■新築一戸建て分譲住宅のメリット
①近所の仲が良い
同じ時期に同じような価格の新築一戸建て分譲住宅を買うので、入居する人達も同じような年齢と収入になります。そのため同じ小学校はもとより、同じ幼稚園に入れたりします。すると自然とママ友になりやすいです。また分譲地内に公園があれば、そこで遊ぶ人は分譲地内が多いので公園デビューなど余計なプレッシャーが無いなどです。
また、分譲地内の道路は通り抜けができないものが多く、子供たちの遊び場になりますが、その時でも父親が外にボールが出て飛び出さないように、出口付近に立っていることがあります。すると父親同士も会話をするようになります。
もともと分譲地は町内自治会の一つの単位になるので、ゴミ捨て場の管理・掃除だとか班長目組長決めについても入居時に全員が同じスタートなために、モメることが少ないうえに、適度な関係となり、浅からず深からずの良好な人間関係ができやすいのです。
②建物コストが安い
新築一戸建て分譲住宅は、同じ設備を大量発注するために通常の仕入れ値の半分以下になることがあります。これは、戸建分譲の大手業者であれば年間数千戸をやるので、洗面化粧台などは発注単位が千個単位になります。通常に1個買うとどんなに安くても定価の4割引きにしかなりませんが、千個単位となると高くても定価の6割引きになり、古い仕様とかになると定価の8割引きというものもあります。それは建築資材のコストにおいて運送費や備蓄倉庫代などが安くなるためです。5万円の洗面化粧台を一個送るのに、梱包費や運賃や人件費など合わせると4000円以上かかりますが、100個をまとめて送ると10万以下で送れます。とすると一個当たりは1000円以下になり、1個より3000円近く安くなります。
また、建物の仕様や施工の仕方が同じなので、大工・職人の慣れがあり、作業が早くなります。通常3日かかるのを2日でできたら、一日当たりの手間賃は変わらなくてもコストとしては3割減ります。
さらに、一棟の電気配線作業に5時間かかるとしたら、ふつうの注文住宅であれば、現場に行く往復の時間2時間とすると7時間となり一日がそれで終わってしまいますが、分譲であれば、5時間×2+2時間で12時間と少々キツイですが、一日で2現場できます。それであれば、一日の手間賃が3万円としたら、残業時間を含めても一棟あたりは2万円をきります。
そのために、最も安いもので、建物原価が600万円というものもあり、通常でも900万から1100万円くらいと、注文住宅に比べてはるかに安くなります。
③間取りが普通なので中古価格が標準的になる
新築一戸建て分譲の間取りは、その時に一番普通と思われるのものを作るので、中古で売るときも、ふつうであるために、間取りの良しあしで価格が下がることはあまりありません。
逆に注文住宅の場合は建てた人が建てた時にベストなものであって、他人にとっては使いずらいという場合が多くて、中古価格においてマイナスとなる場合が多いです。ヒドイ場合には、そのままでは使えず、壊して建て直さないと使えないとなると「古家ありの土地」という扱いとなり、建物は壊す費用がかかり、路線価の土地代から壊す費用300万円くらいをマイナスとする場合があります。
さらに、人気のある分譲地だと、それだけで中古価格は高くなる場合があります。概ね、中古価格は注文住宅より高く売れる要素が多いです。
④自分で気が付かないものがついている
注文住宅においてはお客様の知っているもの、欲しいものを付けますが、知らないものはつけられません。建てるメーカーは知っているのですが、お客様が聞く耳を持たない場合は、全近代的なものをつけてしまうことがあります。壁など耐火性が強いとか断熱性が強いなど機能・性能の良いものは価格が高くなります。そのため予算が合わないとその時の建築基準法の最低基準で発注します。その結果として現在の東京都は「木密問題」という木造住宅の密集地帯で火災の延焼による烈火が起きるといわれています。これらは、その時の建築基準法は満たしているのですが、新たに震度7であるとかの周辺条件が変わると、それに合わなくなっしまいます。
ところが、新築一戸建て分譲住宅であると、その地域として当然に必要と思われるものを装備します。分譲住宅は固まっているために延焼はしやすいですから、壁は1時間の火でも燃えないものを使うとか、いろいろ工夫をしています。
また最近話題の液状化による不同沈下の不安についても、一戸単位で支持層まで杭打ちをするとなると数百万円かかりますが、分譲地全体の地下を柵でかこってしまういうものも現れてきまして、これであれば一戸当たり200万円以下でできるものなどもあります。
このように一般ではあまり知られていない最新の技術・機能が装備されているということも新築一戸建て分譲のメリットです。
⑤全国的平均の過剰装備でない、その地域にあった商品である
住宅メーカーの中で、「マイナス40度から100度まで耐える壁です」というようなうたい文句の商品がありますが、一般的に首都圏であれば夏は40度で冬はマイナス1~2度くらいです。そこに、そこまでの過剰で高い商品は必要ありません。
注文住宅であると全国的な販売であるために、このようになってしまうのですが、新築一戸建て分譲住宅では、その地域にあった商品なために過剰装備を避けられます。
そして、その過剰コストを地域に必要なものに振り返ることができます。例えば隣に川や公園があれば「微気候」や「グリーンチェーン」となどと言われますが、うまく風が通るように建物配置を工夫して、機械による冷暖房を節約できるとか、隣の屋根形状を工夫してリビングに日を当たりやすくするとか、ゲーティング性を高めてコミュニティ道路を形成すると見知らぬ人が入ってこないのでオープン外構にできて、壁設置などの費用が不要であるとか、などなどできます。
このように新築一戸建て分譲住宅は、まず土地ありきなので、そこから全てを発想することができるために、地域の事情に合ったものにできるのです。
以上が主な新築一戸建てのメリットでその他細かいこともあるのですが、これらを生かせていない物件もありますので、よくよくこのメリットを考えて、物件選びをしてください。