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被災地に新築一戸建てを

投稿日:2012年10月15日

東北の復興は進んでいるところと、なかなか厳しいところと様々です。

仙台市の近辺では新築一戸建てがかなり見られました。また、真新しい瓦などは葺き替えたのでしょう。また、海沿いのたんぼもかなり復活していて、塩害に対する努力の跡がみられます。今年は無事に出荷できているようでした。

また名勝の松島は津波の被害が少なくて、みやげもの店やホテルなど賑やかで、船の回遊も戻っているようです。

松島を見渡せるホテルに泊りましたが、松島の朝は美しいものでした。ただ、かきの養殖の網はポツンポツンとしかなく、少ない感じです。

ただ、石巻市に入ると、まだまだ津波の爪痕が多く残っています。

海沿いの小さな漁港はほとんど壊滅状態で「復興」というのにはほど遠いものです。

というより、ここに集落が再度できるのか、かなり難しいかなと感じます。真新しい電柱がポツンと立っていて、壊れた堤防がそのままで、ガレキは無いのですが、そのためにむしろ寂しさが漂います。

海は美しく穏やかなのが、ものすごくギャップを感じます。

石巻市で問題なのは、市の中心部の基礎が残ったままの場所です。二重ローンにより再建築が難しいのでしょう。海沿いの工場が静かですから、再開してなかったり、縮小したり、撤退してしまったところもあるようで、仕事が無くて収入が無い人が多いのだと思います。

そして、気仙沼市もなかなか復興が進んでいません。

有名な大型船が陸に乗り上げた場所はもともと住宅街でした。そこにわずかに住宅が残るだけで、新築はみられません。

道路はほとんどキレイになっていて車り往来は何も問題ありませんし、電柱も立っているので電気も大丈夫でしょう。ただ、住宅の基礎の残骸が多くあり、その中にポツンポッンと住宅があります。

なんとか、ここに新築一戸建てを建てられないのでしょうか。

駅前の住宅街であったようなので、住宅ローン残債がある家は多かったでしょう。また、この場所は標高があまり無く、海から近いので津波が来やすい場所ともいえるので、再建築をためらうのでしょう。それにしても、寂しいです。なんとか建てられればいいのですが、無力感を感じます。

日本は世帯数よりも住宅の数のが多くて、空き家が多すぎて問題になっています。また、新築一戸建ても多く建築されていて、販売在庫は5万戸を超えるほどあります。それでも石巻市のこの地には新築一戸建てはありません。

新築一戸建てはとても豊かで、お風呂は子供と入れるほど大きくて清潔で世界に自慢できるもので、リビングは14帖以上あり家族団欒の場であったりします。家族が生きていく基盤となるものです。是非とも、ここにこそ新築一戸建てを、今建てるべきだと強く思います。

被災地、特に厳しいところに新築一戸建て分譲住宅を建築するのが、新築一戸建てを本業とする企業がやるべき義務ではないかなと思いました。

売れないかもしれませんし、安くしないといけないかもしれません、でも経常利益100億円以上あるのですから、今を生きる社会の公器として、やるべき義務があると思います。

震災後の昨年4月から今年8月までの気仙沼市の住宅着工の新築一戸建て分譲はわずか6戸です。震災以前も少なかったのですが、6戸はいくらなんでもないんじゃないかと思いますし、業界専門家としては、とても恥ずかしいです。年間何千戸も販売している新築一戸建て企業が、そのうち1%でいいので被災地に建てれば数百戸はできるでしょう。

震災から1年半たっての東北は、特に気仙沼線周辺の被災地は、このように言葉にしたり、写真をとったりするのもはばかれるほど、厳しいものでした。

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