投稿日:2012年5月4日
千葉県の人口減少が問題となり、柏市の人口減少が取り沙汰されていますが、松戸市の人口も減っています。
平成23年9月末と平成24年3月末の人口を比較すると▲1677人減っています。
震災直後の混乱を除くため、昨年9月末と比較しましたので松戸市民の心理状況が素直に出ているものです。
年齢別の増減をみてみると
減っている年齢は
・24歳から38歳で▲2880人減っています。
・55歳から63歳で▲2082人減っています。
逆に増えているのは
・40歳から54歳で+1408人増えています。
・65歳以上で+2384人増えています。
減った年齢の
24歳から38歳は住宅一次取得人口年齢帯ですから、松戸市の賃貸住宅から、他市の分譲住宅を購入したといえます。
・55歳と63歳は子供が独立し夫婦二人になって、住宅ローンも終わり、定年前後で、第二の人生を考えている時期で、この機会に移動したものと思えます。
この24歳から38歳の人口の減少により、戸建分譲の需要は25戸減りました。年間換算では50戸になります。
この松戸市の年齢別人口から戸建分譲の需要を計算すると860戸になります。
それは松戸市の年齢別人口によるもので、若年層が少ないためです。
松戸市の年齢別人口をみると、一番多いのが40歳の8822人です。
団塊ジュニアの世代です。
そこから、若くなるにつれて数がどんどん減っています。
それが21歳の4434人から下はほぼ4000人前後で安定推移しています。
ですので、21歳が38歳になる17年後まで、着工戸数は減り続けることになります。
それに、人口移動が加わると、さらに減ることになります。
戸建分譲はTX新線効果で着工が大きく増減えました。
松戸市の戸建分譲の住宅着工数は1999年に832戸であったのが、TXの新線の波及効果と住宅ミニバブルとパワービルダーの販売計画の拡大により2004年に1431戸とピークとなりました。
その後、下がり続けて、リーマンショックの2009年に763戸と減って、需要を下回りました。
それが回復して2010年に1016戸となり、流入により増えました。
そして2011年は流入が減り、流出が増えて、需要に近い892戸となり前年度より▲124戸減りました。
ただ戸建分譲の月別推移をみると、震災直後のマイナスはありましたが、その後は前年並みとなっています。
昨年5月は大きく減りましたが、8つきには昨年並みに追いつき、その後は前年を上回る戸数となっています。
需要は減っているのですが、パワービルダーなどが震災前に仕入れた土地の着工を進めているためです。
つまり需要供給ギャップが出ています。
注文住宅は減り続けています。
松戸市の注文住宅は1999年の1541戸をピークに下がり続けています。
特に2001年以降はほぼ需要どおりの着工数になっています。
それが2008年には建築基準法ショックによって需要より減り、2009年にはリーマンショックによって減りました。
そしてそこから回復して、2010年には985戸と需要を超えるものとなり、市外需要によりプラスオンされるという通常期に戻りました。
ただ、2011年には震災の影響で人口流出により前年度より▲142戸マイナスとなりました。
松戸市の住宅着工の注文の月別の推移をみてみると。
2011年5月は震災後の混乱の影響で大きく下がりましたが、6月以降で9月までは昨年と同じ戸数でマイナスは見られませんでした。
震災前の商談・契約が着工になったもので、まだ震災の影響てばないといえます。
それが10月以降前年マイナスに転じました、震災の影響による人口流出と人口流入の低下が影響したものです。
つまり、松戸市は、
・住宅一次取得人口の流出が年換算で5700人も起きていて
・住宅着工が戸建で▲124戸・注文で▲142戸減った。特に注文が影響を受けている。
・戸建は企業が供給をしてしまっているが、注文は人口減の影響を受けている。