投稿日:2012年4月12日
昨年は東日本大震災の影響で「絆」というものが見直されて、家族の大切さが痛感されて、婚姻が増えたと言われています。
昨年2月から今年1月の1年間の婚姻数は67万7436組で前年同月比で▲4万1702組と減りました。
マスコミで言われるようには、震災により増えなかったのでしょうか。
いいえ増えています。
まず、婚姻数は25年前の出生数に比例します。相関係数は0.91と「強い相関関係にあります」
2000年から2009年までを見ると、
人口の2000年は25年前の1975年の出生数190万人が対象になり、2009年は148万人まで減ります。
婚姻数は2000年に79万組あったのが、2009年には71万まで減ります。
2002年から2005年までは婚姻数がやや下回っています、ITバブル崩壊による若年層の非正規雇用率の向上によって収入不足となり結婚意欲で低下したなどです。
その後2006年から2009年は同じ動きとなっています。
その法則に沿って2011年の婚姻数を計算すると
1986年の出生数は138万2946人です。それに2006年から2009年の指数2.09で割ると
138万2496人÷婚姻発生指数2.09 = 婚姻件数 66万1697件
となります。
実際の件数は67万4436組ですから、計算値から+1万2739組で1.9%増えました。
その他の経済要因の影響はあるかどうかですが、
まず5年前の就職率は前年より悪化しているのでマイナス要因です。
次に、給与所得もマイナスです。
ですので、その他経済要因はほとんどマイナス要因でブラス要因はありません。
ですので、東日本大震災による効果は+1万2739組で1.9%以上押し上げたことになります。
やはり「絆」効果はあったと思います。
それで今後の婚姻数はどうなるか気になったので計算すると
2009年まで72組前後であったのが、2010年から急落を始めて2014年の60組割れまで減ります。
その後2014年から58万組前後で推移します。
つまり婚姻件数は今年から来年は減ることになります。
これは、住宅着工の先行指標となるので、住宅着工の5年後の母数は減ることになります。
後は、「絆」効果で押し上げるしかありません。